町工場で発生した労災事故後、従業員が組合に加入して求めてきた団体交渉に屈せず、県の労働委員会において相当額であっせんを成立させることができた解決事例

ご相談

製造業を営む株式会社Xは、自身の希望で従業員でなく外注として仕事を行ってきたY(30代・男性)が、仕事中にけがをしたことをきっかけとして、自身は従業員であるとして労災を主張したため、療養補償給付の申請に協力するなどしました。
ところが、その後、Yがユニオンに駆け込み、団体交渉を求めてきたため、もはや自社では対応が困難と考え、顧問社会保険労務士の紹介で、当事務所を訪れました。

当事務所の対応

団体交渉では、①Yの労働者性、②X社の安全配慮義務違反ないし過失の有無、③損害額、④過失相殺などが争点となりました。
とくに、②X社の安全配慮義務違反ないし過失については、安易に認めると、いずれX社に巨額の賠償責任を負わせるおそれがありました。
当事務所は、顧問社労士と協議した結果、仕事の実態からして、①(Yの労働者性)については勝ち目がないと判断して譲歩し、主に②(X社の安全配慮義務違反ないし過失の有無)、③(損害額)、④(過失相殺)に争点を絞ったうえで、ユニオンと粘り強く交渉しました。
とくに、②X社の安全配慮義務違反ないし過失の有無については、Yがその根拠として主張する事実のほころびを追及しました。
ユニオンも徹底抗戦したため、団体交渉は回を重ね、いよいよ交渉決裂、裁判かと思われたとき、ユニオンが県の労働委員会にあっせんを申請してきたため、これを受けることとし、交渉の舞台は、あっせんの場に移りました。

当事務所の対応の結果

当事務所は、あっせんにおいて、委員と十分意見交換しつつ、落としどころを探り、わずか1回の期日で、賠償額を抑えてYに退職していただくとの合意を交わすことができました。

解決のポイント

団体交渉は、通常の交渉と異なり、法律上会社側に誠実交渉義務が課されているため、安易に決裂とはできず、粘り強い交渉が求められます。
また、団体交渉においては、無理筋の主張は紛糾を招くことから、勝負になる争点に絞り、冷静にユニオンの主張に反論する必要があります。
この点、当事務所は、団体交渉の豊富なノウハウに照らし、ユニオンに上げ足を取られないよう、慎重に議論しつつ、ときに会社の言い分を断固として伝えたことが、あっせんでの解決につながりました。

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