労基署調査がやってきた!陥りがちな対応と正しい対応

最終更新日 2023年1月20日
会社経営で気にしなければいけないのは業績だけではありません。特に人を雇用する場合に注意したいのが労働法の違反です。違反しないことはもちろん大切ですが、もし労基署の調査が入ってしまった場合の対応や予防法についてご紹介します。
起こっている問題を認知するには?
そもそも、労働基準監督署が会社を訪れる場合には、労働者の誰かが相談していることが前提として考えられます。だからといって社員が労働基準監督署に相談することを阻止するのは間違いです。
まず、労働時間に問題はないか、セクハラやパワハラなどが行われていないかを定期的にチェックしておきましょう。部下から上げられる報告だけでなく、部署ごとに問題はないか経営者自らが足を運んで直接見ることも必要です。会社の規模が大きくなったときこそ、経営者が現場を知っておくことは大切になります。
経営者が直接社員の働き方に目を配って声をかけるのは、問題の早期認知だけでなく、社員のモチベーションに繋がることもあります。
企業がやってしまう間違った対応とは?
まれに、相談を禁止するような発言を社員に向けてする経営者も存在しますが、それこそ労働法に違反する行為であり、社員の自由な意志や尊厳を無視することになります。近年は簡単に録音可能な時代です。発言が録音されて持ち込まれれば十分違法性が立証されます。
労働基準監督署は労働者から労務に関する相談を受けて、違法性が感じられる場合は企業に向けて指導を行う機関です。担当の監督官がどのような判断を下すかにもよりますが、よほど悪質で事件性があるものでなければ始めに経営者またはそれに準ずる役職者に一報し、それから指導に訪れるのが一般的です。
会社に労働基準監督署が来るということは、出入り業者や社員にも印象の良いものではありません。そのため、これを断ったり居留守を使ったりする経営者もいます。また、証拠となりうる書類を破棄したり該当する社員を解雇したりするという行動も珍しいことではありません。時間稼ぎができることもありますが、発覚すれば書類送検されるケースがあります。
労基署への正しい対応と指導を受けない予防策は?
指導に入るという連絡があったらそれに素直に従いましょう。例外ですが、直接労働基準監督署に足を運んで指導を受けることもできます。実際に是正勧告されたことはすぐに改めることも大切です。労働基準監督署内で労働者との話合いをあっせんしてくれる場合もあるので、その際は素直に応じましょう。
労働基準監督の指導員や監督官も同席してくれるので、労働者が話を歪曲していない限りは素直に言い分を聞き入れる姿勢も必要です。特に起業したての会社であれば、知らずに労働法に違反してしまうことも考えられます。
問題が出た場合には、その都度就業規則を見直して盛り込んでおくようにしましょう。労務に強い弁護士に作成してもらい、こまめに労働基準監督署に就業規則の内容をチェックしてもらうこともよい会社作りの基本といえます。