退職した従業員が駆け込んだユニオンからの団体交渉申入れに対応し泥沼化を防いだ解決事例

最終更新日 2024年8月28日

ご相談

土木関係の設計・施工を業とするX株式会社は、退職したY(60代・男性・無職)が急きょ加入したユニオン(労働組合)から突然団体交渉の申入れを受けました。申入書の内容は、解雇予告手当や退職金の支払いを求めるものでした。X社は、どのように対応すればよいかわからず、信用金庫、司法書士さんのご紹介により、当事務所を訪れました。

当事務所の対応

当事務所は、日程や場所決めの段階から団体交渉の主導権を握り、さらに、団体交渉においても、退職は解雇ではなく合意解約であること、退職金規程がなく退職金は発生しないことなどをしっかり主張しました。
それでも、Yの要求額は高く、交渉決裂のおそれがありました。
ただX社に不利な事情もあることから、実際に交渉が決裂していまうとYが労働者側弁護士を付け労働審判を申し立てるなどの事態が想定され、そうなると、X社に重い負担が生じるおそれがありました。
そこで、当事務所は、粘り強く交渉しつつも、交渉決裂の寸前でできる限り有利に合意したいと考えました。

 

当事務所の対応の結果

その結果、当事務所は、3回目の交渉において、狙い通り、交渉決裂の寸前で低額での合意を取り付け、労働審判などの泥沼化を防ぐことができました。

解決のポイント

使用者側は、労働組合からの団体交渉の申入れに対し、誠実に対応する法的義務がありますが、労働組合の要求に応じる義務まではありません。
とはいえ、もし会社の担当者だけで対応すれば、労働問題に詳しい労働組合に圧倒され、飲む必要のない要求を飲んでしまうおそれがあります。
本件においては、当事務所が介入することにより、X社は、団体交渉には誠実に対応しつつ、X社の主張すべき点をしっかり主張することができました。
そのうえで、当事務所のアドバイスのとおり、交渉決裂寸前まで粘ることにより、X社は、負担を最小限に食い止めることができました。

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