職場のLGBT処遇ーー企業が陥りがちな対応と正しい対応

職場のLGBT処遇

日本の企業でも、社内規定や研修内容を改めたり、LGBTやそのサポーターによるネットワークを形成したりといった改革が始まっています。

しかしまだまだ問題が残されているのも事実です。

LGBT問題をめぐる、陥りがちな処遇方法や、問題解決のためのポイントを紹介します。

LGBT処遇において、陥りがちな問題や悩みとは?

LGBTへの処遇を見直す企業が増えてきた一方で、まだトラブルが生じているケースもあります。

たとえば、ハラスメントや職場環境の問題です。

ハラスメントとしては、本人がカミングアウトした際に、差別的な発言や性的な質問を受けるといったトラブルがよくあります。

また信頼できる上長にだけカミングアウトしたはずが、その人々によって周囲の社員にばらされてしまうという「アウティング」が起こることもあります。

これらは、LGBTの人々を深く傷つける大きな問題です。

またLGBTであることが周囲に受け入れられても、職場環境がまだ追いついていないというパターンもあります。

たとえば性同一性障害の人がトイレに入りづらい、書類に性別を記入する欄があり書き方に迷うといったケースです。

こんな対応には要注意

LGBTの問題はデリケートで、個人ごとに抱えている問題や心情は異なります。

「よかれと思ってカミングアウトを手伝ってあげた」という行動が、アウティングとして本人を傷つけてしまう可能性があるため、軽率な対応には注意が必要です。

また、たとえば「身体は男性だが性自認は女性」といった性同一性障害の社員にとって、更衣室やトイレなどは重大な悩みのひとつです。

身体的特徴から無理に男性更衣室、男性トイレを使用させると、本人にとって大きな負担になりえます。

しかし他の社員に周知せず、突然に女性更衣室、女性トイレを使用させると、今度は事情を理解できていない女性社員の負担になってしまいます。

したがって、LGBT問題に取り組むためには、本人の意思を汲むことと、周囲の理解を得ることの2点を、同時に慎重に進めていくことが大切です。

LGBTをはじめ、多様な人材が働きやすい職場に

解決方法のひとつとして、本人との面談や、社内での研修を積み重ねるといった方法があります。

企業が対応を進めるためには、まずLGBT当事者の意向を理解することが大切です。

ステレオタイプを当てはめて軽率に対処してしまうと、本人を傷つける可能性があるため、率直に意見や希望を述べられるような場を設けることを意識しましょう。

同時に、他の社員へ社内教育を行ったり、風通しのよい議論の場を設けたりすることで、社員たちのステレオタイプや戸惑いを取り除いていきます。

このように、意識面での改革だけでなく、更衣室、トイレ、書類といった環境的な問題も同時に解決していく必要があります。

LGBT当事者の悩みに耳を傾け、柔軟に改善していきましょう。

この記事の監修者
弁護士・監修者
弁護士法人ひいらぎ法律事務所
代表 社員 弁護士 増田 浩之
開所以来、姫路エリアに密着。使用者側労働問題に注力。経営法曹会議会員。

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